DELL U2410の設定(Windows)まとめ
これまで書いてきたこと(U2410の色設定、輝度、ファクトリーモード)、およびその後わかったことを合わせてまとめを書いておく(忘れないように)。
このモニタは広色域対応でやたら設定が難しい上に、メーカーから簡易な指針さえ与えられていないので、どのように設定、調整すればいいのか途方にくれる物だと思われる。ネットで調べても、よくわからないし!
0. 基本的な知識(広色域)
モニタ側の設定で「Adobe RGB」を選択すると広色域モード、「sRGB」でsRGBモードである。それ以外は、よくわかっていない。「Multimedia」はガンマカーブをいじってTVの表示域に合わせているものらしい。
一般的な問題として、広色域モードはWindowsで扱うのが仕様上困難である。具体的に言えば、ほとんど全てのアプリケーションで赤系統などの色がケバく派手に表示される。なお、Windows Vista(Windows7)でWCSと言うカラーマネージメントシステムが導入されたが、事実上まともな動作を期待できない。ここら辺はWindows Vista, Windows7のカラーマネジメント(WCS)その1で書いたので、詳細はそちら参照。また、Adobe製品やFirefoxなどは勝手にカラーマネジメントしてくれることもあるが、これらはOSの機能とは関係していない。
加えて、U2410はデフォルト添付のICCファイルが異常であると言う話がある。
(フォーラムでdellの中の人が、2408wfpのプロファイルを代わりに使っとけと)
らしいよ。以前、Susie+カラーマネジメントプラグインで表示色が異常になる件があったが、こっちの原因だったようだ。ひどい。
と言うわけでまあ色々あって、Windowsを使う上で広色域は諦めるのが無難であり、これ以降はsRGBモードを使うことを前提にした話である。
- DELL U2410のsRGBモード 幸いにも、sRGBモードの出来は悪くないらしい。
sRGBモードを使う場合、モニタの色の管理で指定するICCファイルは基本が「sRGB Color Space Profile」になる。
なお、これまでの広色域の話は、Macなら特に何も気にしなくても普通に使えるらしい。マックスゲー。
1. モニタの輝度を調整する
常用するモニタの輝度を決める。出荷時デフォルトは輝度50、コントラスト50で、まあ大抵の室内環境で明るすぎると思われるので、大抵の場合適当に下げることになる。
注意する点としては、このモニタは電源を入れてしばらくは輝度がかなり低い状態になっていることがある(長時間放置の省電力モードからの復帰でも同様)。全体の輝度が変わると色調のバランスが変わってしまうことがあるので、少なくとも電源入れてから三十分〜一時間経ってから輝度を決める。
なお、sRGBモードではコントラストを下げても輝度が下がっていく(そして、コントラストは変わらない)という訳の分からない仕様があるので、輝度0でもまぶしいんです><って人はそっちも下げる。
2. 色合いを調整する(ファクトリーモードで)
このモニタはDELLの工場の職人さんが一枚一枚手作りで色調整してるらしいのだが、皆さんのお手元に届く頃には何故か緑色っぽい調整になっている。俗に言う「緑かぶり」である。マックで調整しただの輝度を下げると緑になるだの諸説あるが、よくわかっていない。
これを直さないことには肌色も綺麗に出ないので、修正する。
- ファクトリーモードの入り方。モニタごとの個体差があり、出荷時の調整が異なるため各々の個体での初期値が異なっていること。また、その初期値に戻す方法がないことに注意。戻したくなった場合、初期値をどこか控えておくしかない。
ファクトリーモードに入り、sRGBのところの数値を適当に変更する。具体的には、赤上げて、緑一杯下げて、青下げるような感じである。とにかく緑は下げる。このとき、何を基準にして発色を決めるかというのが問題なのだが、基本的には以下のような方法と思われる。
- 調整用の画像がある場合、それがまともに見える
- 前のモニタで見てた画像がおかしくない色で見える
- 白が白く見える
- となりのモニタと合わせる(あれば)
色温度やら各人の好みやらなにやらに左右されるし、後からでも直せるので大雑把でもよい。
3. ガンマを調整する
Adobe Gammaみたいなものを使ってディスプレイのガンマカーブを調整する。詳しい話は長くなるので、適当に検索してください。このとき、基準になるプロファイルは「sRGB」のものを使うべきだと思う(が、正解かどうかはいまいち自信がない)。かなり劇的に色が変わる割には調整が難しいので、無理してやらなくてもいいかもしれない。
出てきた調整済みICCは、Windows起動時に忘れずに読み込んでおく(Adobe Gammaの場合、adobe gamma loaderを実行してICC読み込みを行う)。Windowsの場合、OSはICCファイルをデバイスに割り当てるが、それを自動で読み込む機能はないのだ。アホみたいな話だが事実である。また、Microsoft Color Control Panel Applet for Windows XP使用時でも同様である。
4. 完成
色が気になる→2.→3.を繰り返して設定を調整する。実際のところ、気にならなくなったら or めんどくさくなったらそこで試合終了。そんなもんだろう(つんく)。
本格的に色合わせしたいような人はキャリブレーターを買って使うものらしいが、使ったことないのでよくわからない。この場合でも、先にファクトリーモードで色を調整してから使った方がいい結果が出るようだ。
追記: U2410 Beta Rev 3 ICM released
DELLの中の人が新しいICMファイルを公開しているので、モニタ付属のものを使うくらいならこちらを使ってみたほうがよい。