黒史郎「黒水村」

ド田舎ってイヤですよねー。って感じで胡散臭い食い物やら陰気でうんざりするような住居やらわけわからん因習やら聞き取れない方言やら不気味な老人やら黒い雨やらで嫌らしさを演出する閉鎖系土俗物B級ホラーでございます。ラノベらしく文章は軽く読みやすい。それなりにグロテスクなシーンはあるが軽めなのでまあだいじょぶかと。
そして、なんといってもアカモロ。夏と言えばやっぱりアカモロ。アカモロ(゚Д゚)ウマー。アカモロ!そういうのもあるのか。しまった、アカモロの酒蒸しとアカモロの味噌漬けとアカモロの葉の味噌汁でアカモロがダブってしまった。でも感じ感じ。やっぱりこういうとこで食う物に文句言っちゃいけないぜ。でも、これ読んじゃうと、しばらくアカモロはちょっと食べられなくなっちゃいますね(笑)。というくらいにキャラが立っている。アカモロ。名前からしていいじゃないか。紅のアカモロード。
何で銃が落ちてるんだよ!とかいろいろツッコミどころはありますが、サクっと読めて絶賛する程でもないがぼちぼち面白い。という良い一迅社文庫的なラノベ。通勤中に電車で読むのに向いている。風呂シーンの挿絵とか、ちょっと困ったが。
月音と柚子季のエピソードは悲しい話だったがよかた。ゾンビラノベなのにここだけ雰囲気いいのは反則な気もするが、お互いを想いあう女子同士の細やかな感情というのは我々の業界では御褒美にあたる。

黒水村 (一迅社文庫)

黒水村 (一迅社文庫)