杉井光「神様のメモ帳」4巻

毎回言ってる気がしますが、神メモは本当におもろい。このシリーズは杉井による持ち上げて落としてスカッとさせるという様式がかなり上手く機能しており、完成度が高い。これを読むと、一迅社杉井はまるでBETSUJINとしか思えない。悪い意味で。
お約束のように毎回ロクでもない目に会うナルミくんであった。そして四代目は、男前やら任侠を通り越してもはやホモの領域である。いい意味で。アリスさんは、ちょっとデレデレし過ぎではないでしょうか。1〜2巻くらいの思慮深い落ち着き方が丁度いいと思うのだけど。彩夏さんは、既にアリスの世話係といったテイストである。口絵の、アリスの髪を梳いているイラストは美しくベネ。
男も描ける岸田メルメルによる挿絵は安定して質が高く、特に口絵の錬次さんはその服の素敵さも含めてイケメンすぎて軽くヤバい。この服の柄がまた話に密接に関係するあたり、編集湯浅氏がいい仕事しとるものかと思われる。もちろん、四代目もイケメンである。イケメンたちの饗宴。
p.87

カピバラも強く生きているのだ、と僕は思った。リャマは草を食べ、バクは夢を食べ、そしてカピバラは僕のようなつまらないちっぽけな人間の哀しみを食べ、生きている。わけのわからない感慨が通り雨のように僕を襲った。そのまま檻のそばにいたらうずくまって動けなくなりそうだったので、僕はカメラをケースにしまってそっと獣たちに背を向けた。

杉井純文っぽいのイケル。愛島後続のMW文庫企画はないのかな。

神様のメモ帳〈4〉 (電撃文庫)

神様のメモ帳〈4〉 (電撃文庫)