田中ロミオ「人類は衰退しました」6巻

短編集というか二本だて。ページ数少なく本は薄いが充実しております。改行多いが。
一本目の鳥人間編はいつもの蘊蓄風妖精さんひみつ道具テイストでぼちぼち楽しめる。
が、二本目の同類誌編が超面白い。いつぞやの寄宿舎編で登場した友人Yが再登場し大暴れ。こいつがいい性格してる良キャラで、ロミオお得意の奇想と過剰なエスカレーション展開に乗っかって目覚しい活躍を見せる。やはりロミオはおもろい。「やっぱ、おまえって、いいよな」って感じです。いいかんじの恋。女なんかにお前は渡さない。
読んでいて思ったんだけど、動揺したり感情が動いたときにたまに女子っぽい話し方になる「わたし」がかわいい。この人は基本的に他人を「あなた」呼ばわりする。名前ない人多いからか。
この本、一般的ラノベの挿絵的なモノがひとつもないのがすげー。邪神6巻でもあったけど、ページ内の小さい挿絵がガガガのはやりなのか。
あと、あとがきのロミオ先生は割とぶっちゃけてる気がします。意訳すると「えろゲーは学園ハーレムものしか企画が通らないからもう見切りをつけたのでこれからはガガガでどんどん本を出す」というような内容である。

人類は衰退しました 6 (ガガガ文庫)

人類は衰退しました 6 (ガガガ文庫)

追記

そういや(コミカライズはわずか一話で頓挫したのに)アニメ化するそうで。3巻のぴおんさんの話を感動的な長編叙事詩として映像化してほしいでござる。しかし略称は「人退」なの? なんかピンと来ない。

あーあれはそういう演出だったのか。Yと「わたし」の会話が気安い印象があったのだがそういう理屈だったとは。ロミオやるなあ。