江波光則「パニッシュメント」

真っ黒で、暗い。しかし面白いのでたちが悪い。
人が追い詰められていく過程、そこで何かにすがってしまう構図、その末路がつぶさに描かれており素晴らしく陰気である。そして、じわじわ追い込まれていく主人公くん。なかなかのスリルであり、行き詰まり感である。なんというか、真っ黒い水が渦巻いててそれの底に穴が開いてみんな流れていってしまったみたいな話である。
ラノベはこういう面白い(そしてマイナーな)単巻物が埋もれてしまうのでもったいないと思う。

パニッシュメント (ガガガ文庫)

パニッシュメント (ガガガ文庫)