川口士「魔弾の王と戦姫」

ファンタジーもの。主人公君は16歳の領主で戦争に行ったり捕まったりする。
主人公の得物が弓であり、シモ・ヘイヘ型超人俺TWEEEEEというのが新しい。なんだかんだで遠距離攻撃はつよい。敵のお姫様は遠距離攻撃が効かないくらいこれまた強いのだが。
地味だのなんだの言われがちな作者であるがこれはそんなでもなく、なんというかバランスがよい。主人公君は弓は超強いが他に取り柄がない好青年だし、姫様との掛け合いも軽妙で変に朴念仁というところもなくどうしてエレクチオンをしたりもする。姫様方の弓兵は爽やかハゲだし、マスハスのおっさんは超いい人だし、お話のライトな部分とシリアスっぽいところの噛みあわせもよい。なにより読んでいて楽しく、評判がいいのも頷けるものである。
あと、この作者はウマそうな食べ物の描写が多い。リーナもよく買い食いしていた‥‥。
あとがき

「弓使いの男の子と、剣をふりまわして戦う女の子たちが出てくる話があるんですが」
「戦う女の子ですか、いいですね!」
「いえ、メインは弓使いの男の子のほうで……」
「いいですね、戦う女の子!」
「そうですね」
「戦姫というんですか、複数いるんですね。どんどん出していきましょう」
「そうですね」

MF文庫編集敏腕すぐる。

魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉 (MF文庫J)

魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉 (MF文庫J)