佐島勤「魔法科高校の劣等生」2 入学編(下)

1巻に引き続きWEB版既読読者向け感想。

  • 改めて読むと達也くん性格悪すぎ(笑)。なんというか、まんべんなく性格悪い。たまにいいことを言う。
  • 美月の目に関連する描写がかなり加筆されている。文庫版だと、達也が美月の何を警戒しているのか踏み込んだ話になっている。後述の八雲師匠とのやりとりでも触れられている。
  • 占拠〜討論会あたりも大きめの改稿をされている。上巻で加筆されていた「現状改訂が困難な条件」を、この機会に克服するという流れになっている。
  • 八雲師匠が情報屋みたいな扱いになっている。ナンデ?ニンジャナンデ? あんまりそういうイメージなかったけど、WEB版では描写されていないが行われていたやり取りといったところか。後の遥ちゃんが情報提供する流れにもなる。
  • 上巻で追加されたキャラが内偵のような流れになっている。WEB版にはいないポジション。
  • 摩利先輩の感心しない特技(WEB版でも三章あたりで仄めかされていたような気がする)。そして風紀委員辰巳と司の活躍が追加された
  • 制圧しに行く前後のやり取りは、達也さんの言動がだいぶ穏当なものになっている。
  • WEB版「中華連合」が「大亜連合」に置き換わっている。懸念されていたところではあるが、やっぱ中華じゃダメっすかねぇー
  • エピローグ最後のところがちょこっと加筆。兄妹で手をつないだりする。日常‥‥。
  • 裏表紙の小イラストがレオとエリカののCADになっている。ちなみに1巻は一高の校章
  • イラストは1巻と比べるとパワーおちた。それでもまだ充分な質だけど。この先長いので、その辺はおいおい対応していただきたい。

全般的に達也くんの性格がマイルドよりの調整になってるように思われる。深雪さんのお兄様愛No.1っぷりは全くブレない。

あとがき

そもそも主人公達也のコンセプトが「既存の枠組みでは評価できないが故に劣等生の烙印を押された少年」であり(後略)

作者だけあって簡潔で要を得ている。おそらくFAQである「どうして達也は最強超人なのに劣等生なのか」という問いの解答。

今後の予定

10月刊リストには入っていないので、年内に九校戦編上下3,4巻出すには11月、12月となる。そして5巻は間章の生徒会選挙編を収録した短篇集的なものになると推察される。

魔法科高校の劣等生〈2〉入学編(下) (電撃文庫)

魔法科高校の劣等生〈2〉入学編(下) (電撃文庫)