森高夕次、アダチケイジ「グラゼニ」1巻

「グラウンドには銭(ゼニ)が埋まっている」略してグラゼニ
主人公は8年目左腕サイドスローの中継ぎ投手。年俸1800万。趣味は選手年鑑を見て選手の年俸を覚えること。持論は、「プロ野球選手の絶頂期と言われるこの26歳のとき、年俸1800万ってのは全然ダメなんです!」
実にシズル感あふれる設定であり、読む前から面白そうな設定であり、実際面白い。めちゃめちゃ面白い。読み始めると止まらないので睡眠時間がだいぶ削れた。プロ野球を知ってる人で、社会人には特におすすめ。
この年俸マニアな主人公、凡田さんがいろいろと世知辛い感じで野球人生を頑張る話である。将来への不安、選手としての価値、怪我のリスク、挫折していく人、辞めた後の生活、対戦相手などがプロ野球を通じて丹念に描かれる。ここでも、全ての切り口は金である。辛気臭い話ばかりというわけでもなく、思わず笑ってしまうユーモア溢れる話もある。
しかしなんというか、作者のプロ野球愛、プロ野球選手愛をギュンギュン感じる内容である。プロ野球愛No.1
球漫画も、まだまだ面白い切り口があるものである。

グラゼニ (1)

グラゼニ (1)