佐島勤「魔法科高校の劣等生〈4〉九校戦編〈下〉」

やっと一回読み終わった。魔法科の密度高く理屈っぽい文章を487Pは相当読み応えがある。休日半分くらい潰れた。上巻(3巻)も440ページくらいあったので、300ページくらいの上中下三冊に分冊したほうがよかった感じだがそうもいかんのか。

  • 上巻とは異なり、WEB版と比較してシーン単位で追加されたものはないと思う。細かい加筆はあちこちにありそう。深雪さん就寝後に達也さんのモノローグを追加したのは、そのままではこの後あまりにも豹変しすぎとの判断だろうか。華麗に英語でHelloして過激にサツバツする。
  • 表紙と巻頭口絵で気づいたが、幹比古くんは右目に泣きぼくろがある。ランサー=サンとお揃いである。優男めいており確かにモテそうな顔をしている。そして、今回の口絵の美月もやたら美人である(エリカあたりと比較して明確に美人)。美月と幹比古のは眼の色が同じようだ。オリーブ色。
  • 幹比古の土壇場の活躍には涙を禁じ得ない。挫折から再び立ち上がった天才、幾分にオイシイ。ただし文庫版だと、幹比古が一巻から登場していないので若干流れが急に感じるかもしれぬ。幹比古は今後も彼にしかできないオイシイ・ポジションに収まる。
  • あずさのモノローグとか基本的にWEB版そのままだと思うけど、めちゃめちゃ理屈っぽいので笑ってしまった。人の心情とか感情もとにかく理屈で書いている。ここまで理屈書く人はあんまいないような。
  • そのあずさをフォローする会長も若者とは思えぬ達観っぷりである。「高校生にもなったら、納得できないことも受け入れるということも覚えなければならない」とか思考が高校生離れしてる気がする。大人!
  • お兄様に甘えたい深雪さんカワイイ。(しばしば嫉妬の気配を見せるが)普段は奥ゆかしく、こういうささやかな甘え方をするのでベネ。達也さんの方もほんとうの意味で妹第一主義である。
  • 魔法科5巻は短篇集になり最速で4月刊行(公式情報)。目次が巻末の広告に書かれている。WEB版で九校戦の後にあった海に行く話、間章にあたる選挙の話、外伝の方のアメリアの話、外伝の森崎の話、+書きおろし二本とのこと。またかなりのボリュームになりそうだ。
  • 既に出ている二種類のコミカライズのアナウンスもある。魔法科は2011年に出た新作ラノベで単巻、累計両方共一番売れた(オリコンで2011年累計で1巻が約10万、2巻約8.8万)ので、まあこの先もそれなりの展開をするであろう。

魔法科高校の劣等生〈4〉九校戦編(下) (電撃文庫)

魔法科高校の劣等生〈4〉九校戦編(下) (電撃文庫)