小池一夫・松久鷹人「I・飢男 アイウエオボーイ」vol.8 ISBN:4834271366

集英社から出ているホーム社漫画文庫。シリーズ最終部に当たる、池上遼一から松久鷹人に作画が変更された部分(慟哭行)の全てが収録されている。特にスタジオ・シップの単行本、劇画キングシリーズ7巻には収録されていなかった最終話「殺人者の帽子」(打ち切りっぽいけど)が収録されているので、I飢男ボーイファンならばこれは読ンでおかなければならない。
アイウエオボーイの魅力は、やたらいい男で博識な主人公クレミタケオが蘊蓄を垂れ流し敵味方問わず全ての女性をメロメロにしてしまうところにあるだろう。タケオさんのレベルになるとモテるとかモテないとか、そういう次元を超越しております。作中でサイキックもそう云ってる。
このまンがって、台詞に出てくる「ん」の字がことごとく「ン」になっている。面白いので模倣していきたい。
最後の宿敵サイキックとの対決、背広姿なのにどこからともなく防弾ヘルメットを取り出すサイキックは素敵だった‥‥。

幻を手につかまんと
愛の鎖で 夢を織らんと
いつの日にか
357マグナムに残る
弾丸は一発

ってことで、タケオさんの復讐半ばにして話は終わってしまいました。そもそも最初の方を読んだのがあまりに昔なのと話が突拍子もない方向に始終揺れるので、どういった復讐内容を意図していたのかすっかり忘れてしまっていたのはいいことなのか、悪いことなのか。