樺薫「ぐいぐいジョーはもういない」

ラノベでは(それ以外でも?)久々にホームラン級の出来で、今年の最優秀女子同士作品賞は決定と思われる。野球ラノベに外れなしだな(って他の野球ラノベは神メモ5しか知らない)。野球ものとして、相手の脅威が丁寧に描写されており良くできていると思う。野獣の如き相手選手を華麗に翻弄するジョーさんであった。野球描写は淡々としているが厚く熱い。
女子高校野球が舞台で、三年最後の大会の進行と同時に、投手ジョーさんと捕手鶫子さんの馴れ初めとかこれまでの経緯が描写されていきます。主に野球したり野球したりいちゃいちゃしたりバレンタインに喧嘩(重要)したりします。鶫子さんは比較的蛋白な印象だが愛情は深い。ジョーさんはマグマで奔放だ。
スポーツものと女子同士ものの相性はいいと思うんだけど、どっちもラノベではあたらないジャンルなんでロクに弾が出ない。だから講談社BOXで出たのかもしれない。講談社BOXなのでお高いですが、女子同士ものとして良い出来なのでお薦め。
それにしても味方チームも相手チームも選手名が狂っている。全員何か元ネタがあるのだろうか。味方チームは薬草なのか? てゆーかそもそもダスティン学園ってマグマすぎるネーミングセンスやなw あとは、鳴り物入りで登場したローズマリーが余り活躍しないのはどういうことなのって感じです。
このくらいの本がぼんぼん出てくれると、わたくしの通勤中読書ライフが日々充実するのだがのう‥‥。
あまり関係ないけど、何年か前の高校野球でマウンドのピッチャーにちゅーしたキャッチャーがおったけど、あれはやはり腐女子歓喜だったのだろうか。

ぐいぐいジョーはもういない (講談社BOX)

ぐいぐいジョーはもういない (講談社BOX)