縞田理理「“呪肉”の徴 グウィノール年代記1」

なにやら(どこか)官能小説みたいな副題であるが。そういう要素はないです。
主人公が下町っ子の女子でヒロインが姫様なファンタジーもの。故にヒロイックではなく、ヒロイニック・ファンタジーらしい。なるほど。ラノベではなく一般向け(C★NOVELSレーベル)なので文章が若干硬い。そして二段組み。ラノベでない文章読んだの久々でなんだか新鮮だ。
呪肉禍というよく分からないけど大変そうなものが蔓延する世界観で、前半は深刻な背景が見え隠れするものの姫様!お助けいたします!てな勢いのそれなりにほのぼのした要素のある話だったが、後半いきなり激しく凄惨な展開になっており驚いた。ただし基本的な話の軸はぶれない。秘密を共有するメルと姫様の侍従な関係が幾分にベネ。ほお、いいじゃないか。こういうのでいいんだよこういうので(五郎)。あと、トレガーのおっさんが眉毛ナイスガイすぎてヤバい。いいやつトレガー・ディオレイド。
お話は地に足の着いたファンタジーで大きな流れを感じさせるものであり、真っ当に面白い。この巻の最後で思いっきりつづく!って終わり方しているので、続巻も買わねばならない。