江波光則「ストレンジボイス」

なんとも陰気なラノベである。これがデビュー作ですかい‥‥。
この本は、要するに「あなたと私は、分かり合えない」と言う断絶がテーマになっている。分からないから他人との距離が掴めない。そういう状況で社会(学校)の中で、もがきながら生きていかなければならぬ。極端に不器用で異常なのが主人公含め三人いて、こいつらがまあいろいろ陰気なことになり陰気なイベントが多発する。
陰気で陰惨で終わり方もスカっとしない悲しみを湛えたものだが、それでも最後まで引っ張る力はある。この作者何者なんだろう。
飄々として開き直っている先生は面白いキャラだ。

ストレンジボイス (ガガガ文庫)

ストレンジボイス (ガガガ文庫)