瑞智士記「展翅少女人形館」

人間が球体関節人形を産むようになった世界の話。それは舞台背景として機能しており、そのことについての理由付けやら謎解きは作中にはない。
物語の途中で主要キャラが脱落するのだが、そのプロセスが納得行かないのでテンションだだ下がりである。
中盤以降、人形娘が登場人物のことを「め・す・ぶ・た」呼ばわりするので驚く。これは笑っていいところなのか。
というかわたくし、球体関節人形愛とかあんまないのよね。ローゼンメイデンものり姉派だったし‥‥。そんなこんなで、どうも最後まで「人形スゴイ!人形最高!ゴウランガ!」的な作品のノリに乗りきれなかった感がある。女子同士ものとしては良い描写もぼちぼちあるんだけど、やっぱりメインテーマは人形愛だと思われる。
装丁は美しく素晴らしい。

展翅少女人形館 (ハヤカワ文庫JA)

展翅少女人形館 (ハヤカワ文庫JA)